『日刊工業新聞』2007年1月10日付

北海道大学、自治体初の「コンセンサス会議」運営支援開始


北海道大学の科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP=コステップ)は、北海道民が科学技術の議論をして北海道庁の施策に反映させる国内自治体初の「コンセンサス会議」の運営支援を始めた。道庁職員である受講生が中心になり遺伝子組み換え作物で手掛けたのに続き、エネルギーや医療でも同手法の活用が検討されている。受講生・修了生の活動はほかに、JTBとタイアップした小学生の北大研究室訪問、札幌市から北海道全域に広がったラジオ科学番組など、地域密着の科学技術コミュニケーションで成果が出てきている。コンセンサス会議は論争状態にある科学技術の問題を、一般市民が専門家の情報を受けながら議論してコンセンサスを形成するもので、北欧で80年代に始まった。結果を自治体施策に反映させる実用版は日本で初めて。北海道は06年1月に全国に先駆けて遺伝子組み換え作物の栽培ルールを定めた条例を施行した。