『十勝毎日新聞』2006年12月29日付

大学交流を本格検討へ

帯広とマ市姉妹提携
畜産研究で提携模索


帯広市の姉妹都市・米国マディソン市との大学交流が来年、本格的に動きだす。帯広畜産大学(鈴木直義学長)はマ市に本校があるウィスコンシン州立大に視察団を派遣し、安全・安心で付加価値の高い畜産システムの研究を中心に提携を模索。交流が先行する精神保健分野と協力して「アニマルセラピー」の取り組みを進める構想も浮上している。(栗田直樹)

来年に視察団を派遣

帯広市とマ市が10月下旬に締結した同意書は、大学交流の促進を提携の柱に盛り込んだ。両市の間で、人材交流や経済活性化につながる大学同士の関係強化へ期待が高まっていた。

帯畜大は今春、大学院の博士課程に、環境に配慮した安全・安心の畜産システムを教える畜産学研究科畜産衛生学専攻を開設。文科省の重点支援を受け、先進国と途上国双方の知識・技術に精通する人材育成を進めている。研究や教育体制の充実に向け、農畜産業の研究が盛んなウィスコンシン州立大も提携の有力候補に位置付けた。

帯畜大は来年2月下旬から3月上旬を軸に、教授ら数人をマ市に派遣する方向で調整中。同州立大と畜産研究を中心に、提携できる分野を調査する方針で、将来的に必要であれば協定の締結も視野に入れている。

地域と連携した大学の運営手法のほか、動物に触れることで心身を癒やすアニマルセラピーも調査候補に上がっている。長澤秀行同大副学長は「マディソン市との間で進むすそ野が広い、ダイナミックな連携の一角を担いたい」と話している。

両市の姉妹提携は中川昭一自民党政調会長が提唱し、2002年に同氏と砂川敏文市長がマ市に打診したのがきっかけ。十勝とマ市を含むウィスコンシン州は農業実習を通じつながりが深く、近年は精神保健分野で専門家が障害当事者が相互訪問するなど交流が活発化している。