『公明新聞』2006年12月27日付

慎重な論議が必要
太田代表 労働法制見直しで見解
安倍首相と会談


公明党の太田昭宏代表は26日、首相官邸で安倍晋三首相と会談し、次期通常国会での見直しが検討されている労働法制について意見を交わした。 現在、労働法制の見直しは、厚生労働相の諮問機関、労働政策審議会の分科会で行われている。同分科会では、一定以上の年収などを要件に、主に事務に従事するホワイトカラーを労働時間の規制や残業代支払いなどの対象から外す日本版ホワイトカラー・エグゼンプション(適用除外)導入や、長時間労働を是正するための時間外労働の割増賃金率の引き上げなどを検討しており、27日にも同分科会から労働法制をめぐる答申が示されることになっている。

席上、太田代表は、ホワイトカラー・エグゼンプションや残業の割り増しなどの問題について、「日本のこれから極めて大事な課題」とした上で、「(雇用や残業などの問題は)それぞれの業種によっても違い、また、一人ひとり働いている方たちの感情、信条というものもある」と指摘。その上で、太田代表は、労働法制の見直しについて、「相当慎重に扱い、直ちに法制化を急ぐというような拙速であってはならない」と強調し、「与党としての意見も十分に聞き、慎重に論議することが必要だ」と訴えた。

会談終了後、太田代表は記者団に対し、労働法制の次期通常国会での見直しについて、「極めてデリケートな問題であり、慎重であるべきだ」との考えを示した。

党訪中団(1月7日から)派遣を報告

一方、党首会談で、太田代表は、来年(2007年)1月7日から9日にかけて公明党訪中団(団長・太田代表)として中国を訪問することを報告。「10月の安倍首相の訪中を受けて、来年は日中関係がさらに改善し、交流、発展する大事な年になる」と指摘し、党訪中団として一層の関係改善に貢献していく考えを示した。

安倍首相は、「来年(2007年)は日中国交正常化35周年であり、(日中)文化・スポーツ交流年でもある。交流を拡大することが大事だ」と述べ、訪中団の活躍に期待を寄せた。

太田代表は、10月の日中首脳会談で一致した「戦略的互恵関係」の構築について、内容や作業の具体化を図るべきとの考えを表明。首相も「日中間で共に利益をもたらす課題がさまざまにある。そうした認識を共有して、互恵という関係にもっていくことが大事だ」と述べた。

会談には、訪中団の高野ひろし国際委員長(参院選予定候補=埼玉選挙区)、赤羽一嘉国際局長、高木陽介広報局長が同席した。

 党訪中団の派遣は2004年2月以来、約3年ぶり。