『日刊工業新聞』2006年12月27日付

横浜市大、米FDAと提携−医薬品開発の研究支援を強化


横浜市立大学が米国食品医薬品局(FDA)と提携する覚書を交わしていたこ
とが25日までにわかった。横浜市大は医薬品の許認可で国際的に影響力が
ある機関との提携で、医薬品開発の研究支援を強化する。07年の上半期まで
に詳細を決めていくが、主に共同研究と研究者の人材交流を進める。

FDAが日本の大学と提携するのは初めてという。横浜市大が近く正式発表する。

覚書を交わしたのは、FDAを構成する組織の一つで、生物製剤や血液製剤な
どの安全性を保証する「生物製剤評価・研究センター」。横浜市大は今後、医薬
品評価・研究センターなどほかのセンターとの提携もする予定だ。FDAは市大が
持つ資源と研究者の活用を狙う。市大は医薬品の認可にかかわる機関との連携
で最先端の情報入手と活用を目指す。

国内の医薬品は開発されてから市場に出るまで9―16年と、海外に比べて膨大
な時間がかかっている。横浜市大は治験をコーディネートできる人材を育成する
ため、今後、医学研究科の博士課程に「治験コース」(仮称)を設ける予定で、創
薬のスピードを上げ、早急に実用段階に持って行ける環境を指す。