『朝日新聞』2006年12月25日付

中教審委員、教育再生会議との関係で意見 不快感も


中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の委員懇談会が25日、都内で開か
れ、安倍首相直属の教育再生会議との関係について意見が相次いだ。中教審
が答申済みの事項を再生会議が議論していることへの不快感も飛び出し、中教
審と再生会議の微妙な関係が改めて浮き彫りになった。

特に話題となったのは、中教審が今年「10年間をめどに」と答申した教員免許更
新制。再生会議では中教審案に「効果が十分か疑問」などと批判が出ているが、
角田元良・聖徳大学教授は「問題教員を排除するための免許更新制はとてもかな
わないと、既に中教審で出ている」と発言。渡久山長輝・元日教組書記長も「中教
審で既に答申し、きちっと審議した問題は尊重をお願いしたい」と語った。

安彦忠彦・早稲田大教授は、再生会議との関係について「ある程度分担があれば
いいが、既にやってきたことについてさらに何かされると、今後の進め方にもかかわっ
てくる」と指摘した。

中教審と再生会議を兼務する委員のうち、野依良治・再生会議座長は欠席。出席
した中嶋嶺雄・国際教養大学長は「再生会議は混乱している印象を与えているが、
必ずしもそうでない。むしろ、中教審、文科省に今後色々とお願いしないといけない
と感じている」と述べた。