http://www.kokudaikyo.gr.jp/active/txt5/yosan_0612.pdf 国大協企画第1 5 5 号 平成1 8 年1 2 月7 日 財務大臣 尾 身 幸 次 殿 文部科学大臣 伊 吹 文 明 殿 社団法人国立大学協会 会 長 相 澤 益 男 平成19年度大学関係予算の確保・充実について(要請) 貴職におかれましては、国立大学法人の運営等に関し日頃から格別なるご理解とご 支援を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、国立大学は、知識基盤社会と言われる21世紀において高等教育が日本の将 来の発展に決定的な役割を担うとの認識の下に、法人化のメリットを活かしながら、 経営戦略の確立や教育研究の活性化、学生支援の充実、産学連携・地域貢献の促進な ど、様々な改革に取り組んできました。 また、現下の重要課題である行政改革に関しても、総人件費改革について中期目標・計 画に明確に位置づけて取り組むなど、公的部門の一員として積極的に対応しているところ であります。 一方、国立大学法人の経営基盤を支える国の財政支援については、法人化して以来、 効率化係数・経営改善係数などの厳しい算定ルールの適用により運営費交付金が毎年 削減されており、各大学は外部資金の獲得や経費節減などの努力を重ねつつ、大変厳 しい財政運営を迫られています。 国民の知的活動や創造力が最大の資源である我が国にとって、優れた人材の育成と 科学技術の振興を担う高等教育は国力の源泉であります。高等教育の知的資源を有効 に活用できない国は、激動するグローバル社会にあって国力と競争力を失い、衰退の 道を歩むしかありません。国際的な動向を見るにつけ、我が国の将来に危惧を感じざ るを得ないところであります。今こそ大学の教育・研究環境の整備に思いきった投資 をする必要があると考えます。 我々国立大学は、我が国社会が活力ある発展を続けるための牽引車として国民の負 託に応えるため、今後とも様々な努力を継続する覚悟であります。政府におかれまし ても、国立大学等の高等教育の充実のため、下記の要請事項について格段のご理解と ご支援を賜るよう、強く要請します。 記 1. 国立大学法人の教育・研究の基盤となる運営費交付金を確保・充実すること。 国立大学法人における教育・研究の基盤となる運営費交付金については、創造的・ 先端的な学術研究や我が国の知的財産基盤の中核となる人材養成を着実に実施でき るよう、充分な予算総額の確保・充実を図ること。 2. 国立大学の重要な役割である教育の機会均等の確保が図れるよう適正な授業料等 学生納付金標準額を維持・設定すること。 授業料等の学生納付金については、国立大学の重要な役割の一つである教育の機 会均等を確保するため、標準額の上限の範囲内で各大学法人が経営判断等を基に具 体的な額を決定する現在の仕組みを維持すること。標準額は、家庭の教育費負担も 考慮しつつ中期目標期間を通じたものとして適正に設定されるべきものであり、機 械的に隔年で改定することのないようにすること。 また、学生が経済状況に左右されることなく、能力・適性に応じて高等教育を受ける ことができるよう、教育費負担軽減のための措置に必要な予算を確保すること。 3. 教育・研究環境を計画的に整備できるよう施設整備費を確保すること。 現在の国立大学法人の施設については、特に機能上劣化した老朽施設と耐震性に 問題のある施設の整備が最重要課題であり、「第2次国立大学等施設緊急整備5か 年計画」に基づき、教育研究基盤施設の再生に向け緊急に計画的な整備を実施する ため、所要の予算を確保すること。 4. 国公私立大学を通じた競争的補助金を確保・充実すること。 21世紀における高等教育が、競争的な教育・研究環境の下で活力を高め、我が 国社会に一層貢献するために、グローバルCOE プログラムをはじめとする国公私 立大学を通じた大学教育改革の支援を拡充すること。 なお、国立大学附属病院の経営に関しては、経営改善係数(△2%)に加えて診療報酬 制度の変更により増収を図ることが極めて困難な状況に陥りつつあります。今後具体的な 改善策を要請することも検討中であり、ご理解とご支援を得たく付言いたします。 |