『しんぶん赤旗』2006年12月20日付

「市場化テスト」拡大
税・国保料徴収など27事業
07年度本格実施


政府の「官民競争入札等監理委員会」(委員長、落合誠一東大大学院教授)は
十九日、公共サービスの担い手を官民の競争入札で決める「市場化テスト」の
導入対象を当初の九事業(区分変更で十一事業に)から二十七事業に拡大す
る方針を決めました。二十二日に閣議決定する予定です。「市場化テスト」は
二〇〇七年度から本格実施されます。

今年五月に成立した「市場化テスト法」にもとづくもの。同法は公共サービスを
民間企業のもうけ口にしようという狙いがあります。方針は同法を具体化したも
のです。九月に閣議決定した年金保険料の収納事業などに加え、パスポートや
国民健康保険の窓口業務、地方税や国保料の徴収業務などを新たに追加しま
した。これらの事業への民間参入で住民のプライバシーの侵害が懸念されます。

ほかに都市公園の維持・管理、日本学生支援機構の国際交流会館の運営、情
報処理技術者試験事業なども追加されました。

落合委員長は会見で「次回改定に向けて(ハローワーク本体事業など)さらに対
象事業を追加するよう目指していきたい」と発言。同日発表した談話では「『簡素
で効率的な政府の実現』を図るという断固とした政治のリーダーシップが不可欠
であり、それが発揮されることを大いに期待する」と述べています。

会合の中で塩崎恭久官房長官は「政府として今後とも積極的に取り組んでいき
たい」と発言しました。



「市場化テスト」の対象に追加された十六事業

都市公園の維持・管理、職業能力開発促進センター事業、国際交流基金の「関
西国際センター」の日本語研修事業、国際交流基金の文化芸術交流事業、国際
交流基金の海外事務所の運営、日本学生支援機構の「プラザ平成」運営、日本
学生支援機構の国際交流会館の運営、国立大学財務・経営センターの「キャン
パス・イノベーションセンター」の運営、「日本科学未来館」の運営、情報処理技
術者試験事業、車庫証明関係の窓口業務、旅券関係の窓口業務、国民健康保
険関係の窓口業務、介護保険関係の窓口業務、地方税の徴収、国民健康保険
料の徴収

九月に閣議決定された事業

国民年金保険料の収納、ハローワークの人材銀行・中高年失業者への就労支
援・求人開拓、総務省の指定統計調査、統計センター業務、登記の証明書交付、
ホワイトカラー向けの職業訓練コースの開発、若者の職業体験