『朝日新聞』2006年12月18日付夕刊

ニートやフリーター「自分がなるかも」 東大生3割不安


東大生の3割近くが「自分がニートやフリーターになるかも」と感じている――。
東大が行った学生生活実態調査でこんな結果が出た。就職に不安を持つ
人も7割近く。世間では就職戦線の「勝ち組」と見られているだけに、東大
は「厳しい時期が長く続いたせいかもしれないが、ずいぶん高い」と戸惑っ
ている。

学部生を対象に05年11月にアンケートし、約1400人(回収率38.7%)
が回答した。ニート・フリーターについて初めて尋ねたところ、28.3%が
「自分がなるかも」と答えた。

将来の進路や生き方に「よく」「ときに」悩むのは83.3%。不安を感じるの
は「就職」が67%、「人生の意義・目標」が61.4%で、漠然と「強い不安に
襲われたことがある」学生も51.5%にのぼった。

大学に求める対策として、「就職指導、進路相談」と「学部や大学院への進
学相談」の充実をそれぞれ3分の2があげた。大学院への進学予定者は、
03年の前回調査より4.5ポイント高い50.5%。法科大学院が新設された
こともあるが、就職回避の傾向が出ているという。

調査した経済学部の森建資教授は「(景気の回復とともに)就職状況は改善
してきたが、学生たちは先輩が苦しむ様子を見聞きしてきた。その不安があ
るのかもしれない」と話している。