『毎日新聞』大阪版2006年12月17日付

改正教育基本法:コリアンNGOセンター、成立受け声明発表


「改正教育基本法」が与党の賛成多数で成立したことを受け、民族教育の権利
確立や、人権保障などに取り組む「コリアNGOセンター」(大阪市東成区)
は16日、「改訂教育基本法成立にかかわっての声明」を発表した。

教育基本法の審議が、在日コリアンをはじめとする多民族・多文化の子どもた
ちの教育や人権について「なんら触れられないまま進んだ」と批判。「改訂法
では『愛国心』や『郷土愛』を徳目として位置づけており、多民族・多文化の
子どもたちの存在がさらに軽んじられ、これまで以上に萎縮(いしゅく)を強
いられないかと強い危惧(きぐ)を抱いている」としている。

その上で今後、学習指導要領や教育振興基本計画など、関連法規の改定論議で
は「日本政府も批准する国際人権諸条約の趣旨を踏まえた人権教育や多民族・
多文化共生教育」を位置づけることを要望。その中で、「愛国心や郷土愛が強
調されることのないよう」求めた。【中村一成】