『読売新聞』2006年12月14日付 研究費不正で文科省検討会が報告書案、組織改革求める 文部科学省の外部有識者検討会は13日、研究費の不正使用に関し、大学や研 究機関向けの内部チェックの指針などを盛り込んだ報告書案をまとめた。月内に 正式決定する。 これを踏まえ文科省は各組織に対し、来年11月ごろまでに、研究費の管理体制 について整備状況を報告するよう求める。 不正使用が起こる背景について報告書案は、研究者のモラルの低さのほか、内 部監査があまり行われないなど組織上の問題を指摘。さらに、年度をまたいだ支 出が認められにくいなど制度面の課題も挙げた。 そのうえで<1>研究組織の中で、研究費の運営・管理の責任者を置く<2>事 務処理手続きルールの明確化<3>不正防止計画の策定――などの指針を示し た。 また、国などの研究費交付主体に対しては、交付の早期化や、光熱費など間接経 費の拡充、費目間の流用制限の緩和などを要望。特定の研究者に資金が集中し ないよう、省庁間での情報共有などの対策を求めた。 一方、検討会では、不正を自主申告して流用分を返還した研究者に対して罰則を 軽減する措置も論議したが、資金返還を免除しなければ実効性に疑問があるなど として導入を見送った。 |