『毎日新聞』2006年12月14日付

教育基本法改正案:参院特別委で可決 野党は内閣不信任案


教育基本法改正案は14日、参院教育基本法特別委員会で自民、公明の賛成多
数で可決された。与党は会期末の15日に参院本会議で改正案を可決、成立させ
る方針だ。これに対し、野党4党は安倍内閣に対する不信任決議案を15日午前に
提出し、対抗する。同法案の今国会成立は動かない情勢だが、与党は審議の混乱
に備えて、国会の会期を3〜5日程度延長する考えだ。

同特別委は14日午前の質疑に続き、午後にも質疑を行った。同6時すぎ、審議は
尽くされたとして与党側が質疑打ち切りの動議を提出した。反発した野党理事らが
委員長席に詰め寄ったが、起立採決により与党の賛成多数で改正案は可決され
た。

採決後、野党は幹事長・書記局長が会談、衆参両院であらゆる手段を講じて改正
案の成立を阻止する方針を確認した。15日に会期末を迎えることから、審議時間
の「時間切れ」を狙い、タウンミーティングの「やらせ質問」発覚や、日本の核保有
論議をめぐる閣僚の発言なども理由とし、内閣不信任決議案を衆院に提出するこ
とで合意した。安倍晋三首相に対する問責決議案の参院への提出も検討してい
る。

内閣不信任決議案が提出された場合、他のすべての案件に優先して衆院本会
議での採決が行われる。与党は15日の衆院本会議で決議案を否決、その後の
参院本会議で教育基本法改正案、防衛庁の省昇格法案などを処理する方針だ。

ただ、野党の抵抗次第で審議時間が不足する可能性もある。自民党幹部は14
日夜、記者団に「野党が不信任決議案を出せば延長手続きをする」と語った。
【鬼木浩文】