『高知新聞』2006年12月12日付

教基法改正 県教育長が否定的答弁


参院で審議中の教育基本法改正案に関し、大崎博澄県教育長は11日の県議会
12月定例会で「改正により、直面している教育課題の解決に展望は開けない」と、
法改正に否定的な答弁を行った。大崎教育長が公の場で同法についての考えを
表明したのは初めて。吉良富彦氏(共産・緑心)の質問に答えた。

教育長は現行の教基法について「高い理想を掲げる立派な法律であり、その理念
の実現こそが私たちに求められる」と、あくまでも現行法のままで教育行政を行う大
切さを力説した。

取材に対し教育長は、国会などの改正論議について「完全なイデオロギー論争。(そ
んな面から)私は賛成、反対と言うのは好きではない」と政治的な発言でないことを強
調。その上で「政治的立場でなく、子どもの視点に立って(いじめ、不登校などの)問題
を解決すべきだ」と、現状の改正論議を批判した。

改正案は15日にも参院本会議で可決成立する見通しとなっているが、教育長は「現行
教基法の理念は引き継いでほしい」と述べた。

中学少人数化 費用面で困難

また同教育長は、中学校の少人数学級化について「ただちに少人数学級編成を導入す
ることは難しい」と述べた。

中学で30人編成をすると200人ほどの教員が新たに必要で、人件費などで年間15億
円ほどが必要になるため。