『朝日新聞』2006年2月10日付 声欄

地方公聴会は政党懇談会か
主婦 小山 八重子(長野市 64歳)


長野市で参院教育基本法特別委員会の地方公聴会が開かれることを知り、4日
会場に出かけました。

ところが、会場で係の方から、傍聴入場券50枚は参院会派の勢力に応じて各政
党に配分され、一般の私には渡すことができないと説明されました。「予備が3枚
あると聞いて来たのですが」と粘ってみたのですが、「議員の紹介がないから駄
目」と、結局傍聴させてもらえませんでした。

4人の公述人も政党推薦だそうです。公聴会は名ばかりで政党懇談会のような
ものだと知って、ただただ驚きました。国民の中には政党に関係していない人が
かなりいるのではないでしょうか。その人たちを蚊帳の外に置いて物事を決めて
いるのではないかと心配でなりません。

教育基本法の改正問題は国民すべてに関係があることです。各方面から広く意
見を聴いて決めていくことが必要だと思うのです。

衆院での単独採決の様子を見るにつけ、また改正案の問題点を知るにつけ、こ
のような公聴会で民意を反映したと言えるだろうかと、参院での審議が気がかり
で毎日いたたまれない気持ちです。