『京都新聞』2006年12月3日付

教育基本法改正を批判
同大で大江健三郎さん講演


京都弁護士会主催の第36回「憲法と人権を考える集い」が3日、京都市上京
区の同志社大寒梅館で開かれた。ノーベル賞作家大江健三郎さん(71)が、憲
法と教育基本法のあり方を軸に講演した。

同弁護士会が、憲法公布から60年を記念し、「つなぐ−次世代へのメッセージ」
と題して開催した。定員を超える約1000人が詰めかけた。

大江さんは、国会で審議中の教育基本法改正案は、愛国心の強制や家庭教
育への介入の点で「非常に問題がある」と指摘した。現在の教基法を印刷して
胸ポケットに入れ、記憶にとどめようと提案した。また、教基法が改正されると改
憲への動きが強まるとして、「現在の教育基本法を失う後悔を未来に生かそう」
と訴えた。講演後、大江さんは、中高生10人と座談会を行い、憲法や人権、差
別について意見を交わした。