『毎日新聞』2006年12月2日付

教育基本法改正:改正に反対、市民の会発足 「国の道徳支配危ぐ」 /熊本


教育基本法改正に反対する県内の教育関係者や弁護士ら18人でつくる「教育
基本法を考える市民の会・熊本」が1日、発足した。同会は10日、国会で審議中
の改正案に反論し、現行法の重要性を訴える市民集会を熊本市の辛島公園で開
く。

県庁で会見した同会代表の1人で熊本大名誉教授の海老原遥さん(73)は「政府
が統制せずに支援するというのが、世界の教育界の常識。国が道徳教育をしよう
という動きに危ぐを覚える」と述べ、政府関与を強める内容の改正案を批判した。

同会は「いじめや不登校など教育の課題が『規律』『愛国心』で果たして解決でき
るのか。子どもや保護者の声を聞き、国会で徹底した審議をすることが必要」など
とする緊急アピールを発表し、集会への参加を呼びかけた。【門田陽介】