『中日新聞』2006年12月2日付

『存在感ある大学に』 静大次期学長の興氏抱負


静岡大の次期学長候補者に選任された日本科学技術振興財団専務理事の興直孝
氏(62)が一日、県庁で記者会見し「関係者の真摯(しんし)な意見を尊重した上でリー
ダーシップを発揮し、存在感のある大学にしたい」と抱負を述べた。

静岡大工学部出身の興氏は「母校が輝いているよう、最後の人生をささげようと思っ
た」と学長選出馬の経緯を説明。「長期的ビジョンに欠けていた」と静岡大の課題を指
摘した上で「政府の施策に対して受け身でいるのではなく、時代を先取りした提案をし
ていきたい」と語った。また「連携がないと言われる静岡と浜松の両キャンパスの融和
を図りたい」との意向も示した。

興氏は一九六九年に旧科学技術庁に入庁し、原子力局長や科学技術振興局長など
を歴任。〇四年から現職で、広島大の副学長も務めている。十一月三十日の最終選
考では現学長の天岸祥光氏(66)を抑え、次期学長に選ばれた。来年四月一日に就
任予定で、任期は三年。