『毎日新聞』群馬版2006年11月17日付

群馬大:工学部、若手技術者育成へ新プロジェクト 県内企業と連携


群馬大工学部は、若手技術者の育成を県内企業との連携で進める「群馬メカト
ロ・ロボット分野人材育成プロジェクト」を28日に発足させる。団塊世代の大量退
職で技術伝承が困難になると指摘される07年問題の解消や、産業技術の高度
化に対応するのが目的で、同大は将来の技術者向け専門職大学院の設置に結
びつけたいという。

同プロジェクトは、大学教育と企業のインターンシップ制度などを組み合わせて、
将来の製造現場を担う若手技術者を育成するのが狙い。経済産業省の産学連
携製造中核人材育成事業の指定を受け、今年度から3年間、国の財政支援(今
年度は2000万円)を得る。

現場教育を提供するのは、富士重工業や三洋電機など県内に本社や工場を置く
7企業と県立群馬産業技術センターなど。大学での教育プログラムは、群馬大の
ほか、茨城大、東洋大(埼玉県)、名城大(愛知県)、九州工業大(福岡県)の5大
学で共同開発する。

群大工学部長の宝田恭之教授は、今後の国内製造業はロボットを動かすソフトウ
エア開発や機械工学、電子工学を融合した「メカトロニクス」が中心になるとし、「大
学教育と企業などの現場教育による技術伝承を3年間でシステム化する。国からの
財政支援がなくなった後も自立して人材育成が進められるようにする」と意気込んで
いる。【木下訓明】