『JANJAN』2006年11月14日付

まずは徹底議論を〜教基法・日比谷デモに思う


教育基本法の改悪が、目の前に迫っている。しかし今、取り組み闘えば、まさに「廃案
」が可能という情勢にある。

11月12日、東京・日比谷公園で、「教育基本法『改正』案廃案へ!」の決起集会
になった「教育基本法の改悪とめよう!全国連絡会」主催の集会・デモがあった。

13日の月曜日は、新聞朝刊休刊日である。もともとこの種のニュースは出にくいの
だが、約8,000人集まっての騒ぎだから「夕刊にはでるかも」と思いながら記事を
書いている。

呼び掛け人の大内裕和さんは、「改正」案は格差を助長するという立場から、「改正
」反対を訴えた。高橋哲哉さんは「『愛国心』で再び国のために死ねる人づくりを狙っ
ている。現在の教育基本法の精神は変えることのできない真理である」と訴えた。三宅
晶子さんは「みんなでこの山場を乗り越え、自由の平野を見に行こう」と訴えた。小森
陽一さんは「動かなかったマスコミもようやく廃案の声を出し始めた。この1週間が勝
負」と訴えた。

4人のどなたも「タウンミーティグのやらせや自殺問題、未履修問題など、噴出する
教育行政の失態から教育基本法を『改正』などと言っておれない状況だし、今が廃案に
するチャンス」と捉えていると感じた。もちろん何より、与党「改正」案がいかにに時
代に逆行し、未来の教育を破壊するものであるかを思い、廃案しかないと思っているこ
とも察することができた。

この集会で目立ったのは、若者達が自前の運動を作りつつあること、組織的には北海
道教組が200名で登場したこと。そして、野党が結束して来週力をあわせて、廃案へ
と取り組むこと、2万人の弁護士会が教育基本法「改正」案に反対であることが訴えら
れたことであった。

13日からの週がまさに山場である。国会行動、各地での行動取り組みを盛り上げて
今週末「廃案」をという状況を作りたいものである。

今は国会が休み。デモは東京駅までだった。全国連絡会としては、これまでにない大
きな集会・デモとなって、日比谷に約7,000人が集まり、解散地点では約8,00
0人の集まりであることが紹介された。会場では小森さんが問いかけた「皆さん寒いで
すか」に「燃えているよ」という声が会場から出るように、ステージと会場が一緒にな
って盛り上がった熱のあふれる集会だった。今回右翼が汚い言葉を投げかけ、会場周辺
で終日巨大街頭宣伝カーを繰り出し圧力をかけていたが、私には断末魔の叫びとしか聞
こえなかった。

とにかく、この悪法を「廃案」にするために、とりあえず来週1週間がんばりたいも
のである。

(杉原栄)