『読売新聞』2006年11月11日付

教育基本法改正案、裁決日程で与野党物別れ


与野党は10日、断続的に国会対策委員長会談を開き、教育基本法改正案の採
決日程を協議したが、物別れに終わった。

民主党は、核保有論議を容認する麻生外相の罷免要求に政府から前向きの回
答がない場合、衆院で全面的な審議拒否を行う構えを見せており、与野党攻防
が激しくなってきた。

自民党の二階俊博、民主党の高木義明の両国対委員長は10日、国会内で会
談し、衆院教育基本法特別委員会で14日にいじめと高校の必修逃れ問題に関
する審議を行い、15日に中央公聴会を開くことで合意した。

中央公聴会は民主党が要求した。二階氏は、公聴会後の特別委での改正案の
採決と16日の衆院本会議での採決を提案したが、高木氏は反対し、平行線をた
どった。13日に再協議する。

与党は、参院で十分な審議時間を確保するため、来週中に衆院通過を図る方針
だ。二階氏は10日昼、「改正案は中央公聴会後の採決が国会審議の常識だ」と
記者団に述べた。同日夜の講演でも、「国会の会期末(12月15日)がある。いつ
までも慎重審議で引きずられていては、政治の生産性も上がらない」と述べ、民主
党抜きでの採決も辞さない考えを強調した。

野党は、高校の必修逃れやタウンミーティングでの「やらせ質問」問題などで政府を
追及し、改正案の早期採決を阻止する構えだ。民主党の鳩山幹事長は10日の記者
会見で「すべての国会審議をストップすることも検討する」と述べた。

一方、衆院安全保障委員会が10日に予定していた防衛庁の省昇格関連法案の審
議は、民主党などの出席拒否により開かれなかった。