山形新聞ニュース 2006年11月7日 火曜日

08年度から県内高校生対象にAO入試を導入・山大工学部

 山形大工学部(小山清人学部長)は6日、2008年度入試から、県内の高校生を対象に、
複数回の面接や書類選考などで合格者を決定するアドミッション・オフィス型(AO)入
試を導入すると発表した。県内企業が求める技術者養成が目的で、国立大の工学系学部で
地域枠を設けたAO入試は全国で初めて。募集定員は6人としている。

 AO入試は推薦入試とは異なり、志願者は教授との面談や大学からの課題の審査などを
繰り返し、時間をかけて合格者を選抜するシステム。県内では東北芸術工科大や東北公益
文科大などが既に取り入れており、山形大では工学部が初めて導入することになる。

 県工業会(前田直己会長)と県中小企業団体中央会(千歳栄会長)、県高校校長会工業
部会(武田吉弘部会長)は連名で去年12月、大量退職で減少する技術者の養成と、工業高
生の大学進学の新たな選択肢確保を求める要望書を山形大工学部に提出。これを受けて同
学部は、地域枠を設けたAO入試導入に向けて準備を進めてきた。

 同学部では、産学官連携による県内企業の技術者養成の一環として位置付けており、県
や企業と「連絡協議会(仮称)」を設け、AO入試で入学した学生の県内企業への就職支
援などに一体となって取り組んでいく。

 今後、出願期間や選考方法などについて学部内で協議し、年内には概要を県内の高校に
示す予定。志願者による高校での学習成果の発表など、同学部独自の選考方法も取り入れ
る方針で、来年4月までに募集要項を公表する。