『中日新聞』2006年11月2日付

福井・嶺南地方の医師確保へ
関電が奨学金


 関西電力は1日、同社の原発11基がある福井県嶺南地域の医師確保を支援
するため、医学生の奨学金制度を来春から始めると発表した。2007年度から
13年間、福井大医学部の学生と県内の高校を卒業したほかの大学の医学部生
に1人当たり約1000万円(最大6年分)を貸し出す。卒業後、嶺南地域の公的医
療施設で一定年数働くと返済は免除する。

 文部科学省医学教育課は「自治体ではなく民間企業が医師確保を目的とした奨
学制度の主体となる例は聞いたことがない」としている。

 関電によると、関電原子力事業本部がある同県美浜町に財団を設置。基本財産
5000万円を関電が負担し、資金約10億円は関電のほか嶺南地域に原発を持つ
日本原子力発電などの電力事業者から募る。

 初年度は3年生までの約15人、その後は毎年、新入生を5人程度ずつ計約50人
を支援する。