『朝日新聞』2006年11月1日付

教育基本法の賛成質問依頼か タウンミーティングで

 9月に開かれた政府主催のタウンミーティングで、青森県教育委員会が内閣
府の指示を受け、教育基本法改正案に賛成の立場の質問を地元の学校関係
者に依頼した可能性があると、31日の衆院教育基本法特別委員会で高橋千
鶴子議員(共産)が指摘した。高橋氏は、同県教委が作成したという文書を示
して質問したが、事前に理事会に提出していなかったなどの理由から政府側
は答弁しなかった。文書などの扱いは11月1日の理事会で協議する。

 高橋氏が問題としたのは、9月2日に青森県八戸市で開かれた「教育改革
タウンミーティング イン 八戸」。小坂憲次文科相(当時)らが出席した。

 高橋氏は質問で二つの文書を読み上げた。いずれも青森県内の中学校校
長にあてられた8月30日付と9月1日付のもので、それぞれ地元の教育事務
所と教育政策課の作成という。「タウンミーティングの質問のお願い」と題した
8月30日付の文書は「当日に(2)の質問をお願いします」などと書かれ、質問
案として「時代に対応すべく、教育の根本となる教育基本法は見直すべきだと
思います」などが挙げられていたという。

 また、9月1日付の文書では「発言者を選んでいただき、誠にありがとうござ
います」としたうえで、内閣府から「お願いされてというのは言わないでくださ
い」などの注意がある、と書いてあったという。