『読売新聞』北海道版 2006年10月26日付

北海道大が寄付金の運用を目的にフロンティア基金創設


 北海道大(中村睦男学長)は、一般からの寄付金を積み立てて、国債や預貯
金での運用益を学内資金に充てる「大学基金」を1日付で設立したと、24日、
発表した。国立大では14校目の基金設置。名称は「北大フロンティア基金」
で目標金額は50億円。卒業生や道内外の企業などに寄付を募っていく。

 北大基金は、成績優秀者や留学生対象の奨学金制度拡充、施設整備、各種研
究支援などに充てられる予定。個人からの1万円以上の寄付は「特定資金」と
して、特定学部学科での活用など、使途指定も可能なのが特徴だ。

 中村学長は「世界の研究をリードできる地位を確保することが重要。優秀な
人材育成のため、学内外の皆さんに支援いただきたい」と話している。

 国立大は、2004年の国立大学法人化に伴い、国からの運営費交付金が毎
年1%削減される。北大では、来年度の削減額は約7億4000万円にも及ぶ。
各大学とも経費削減や外部資金の獲得に力を入れざるをえない状況で、大学基
金設立ラッシュが続いている。

 東京大は寄付金総額目標130億円の基金を創設しているほか、名古屋大は
トヨタ自動車など中部地方財界の支援で、総額200億円を目指した募金活動
を進めている。一橋大や東北大なども基金を創設した。

 北大では、大学役員らが企業に寄付を働きかけていくほか、04年設置の
「連合同窓会」などを通じて卒業生や一般市民に広く寄付を呼びかける。北大
OBの財界関係者ら数十人に「学外ディレクター」を委嘱し、大学と企業との
橋渡しも依頼するという。