『中日新聞』2006年10月25日付

約100人に10万円の新奨学金制度
愛知・名古屋市立大が来年度から


 名古屋市立大(西野仁雄学長)は2007年度から、各学部で優秀な学業成
績を収めた学生に1人10万円の奨学金を授与し、学長が表彰する独自の制度
を創設することを決めた。授与される学生総数は年に100人程度の予定。名
市大によると、こうした制度は中部地方の国公立大で初めて。

 各大学が学生を確保するため特色を打ち出す中、新制度によって大学の魅力
を高めるのが狙い。学生の意欲を高め、チャレンジ精神をはぐくむことも期待
している。

 対象者は各学部、学年ごとに、前年度成績の上位4%に入った学生。6年制
の医学部と薬学部薬学科は1−4年次まで、その他の経済、人文社会などの各
学部は1−3年次まで。各学部ごとに推薦者が選ばれ、学長が最終審査をする。

 選ばれた学生は翌年5月に表彰され、10万円の奨学金が授与される。07
年度から始まるため、初の授与は08年5月。頑張れば、同じ学生が毎年連続
で奨学金を受けることも可能だ。

 名市大は今年4月の法人化に先立ち、06−12年度に取り組む中期目標と
計画を策定。その中に、成績優秀者に対する新たな支援制度を実施することを
掲げていた。

 当初は、対象者を上位2%にして1人20万円を授与する案もあったが、
「頑張る者が報われることが大切。4%に拡大し、多くの学生にチャンスを与
えたい」との考えで一致した。