『読売新聞』2006年10月24日付

神戸大と川重が戦略委 協定締結
研究から事業化まで連携


 神戸大学と川崎重工業(本社・神戸市)は23日、研究や技術開発から新規
事業まで、学術的成果や手法を幅広く交換、協力し合う「戦略的産学連携」の
協定を締結した。

 神戸大が持つ知的財産と、川崎重工が培った「ものづくり」のノウハウを互
いに活用。双方の幹部らによる「戦略委員会」をつくって総合的な共同研究や
調査、人材交流を進め、研究開発のスピードアップや効率化を狙う。新分野の
事業についても、構想段階から製品、システムの開発まで一貫して協力すると
いう。

 両者は以前から、個別の技術の開発では協力関係にあり、現在もニッケル水
素電池の高性能化など7つのテーマでともに研究。このため、当面は「次世代
輸送機器・システム」と、「環境・エネルギー」の分野で一緒に取り組む方針
で、戦略委員会を中心に今後、分野を広げていく。

 協定は毎年、更新するといい、川崎重工の松崎昭常務は「大学の『知』の部
分を十分に吸収し、技術や製品の開発につなげたい」と話している。