『琉球新報』2006年10月23日付

非常勤講師が組合 「雇い止め」など協議


 県内の大学や短大の非常勤講師らによる初の労働組合「大学等非常勤講師ユ
ニオン沖縄」が22日、結成された。結成大会が那覇市のアルテ崎山で開かれ、
委員長に県立芸術大学非常勤講師の平井真人さん(56)が選ばれた。組合員
は琉大、沖国大、沖大など6大学の非常勤講師約20人。

 平井さんは「非常勤講師から大学側に要望を伝える場がなかった。非常勤講
師が、教育や研究に専念できる環境づくりを大学側に求めていきたい」と強調
した。

 「非常勤講師の講義数の削減や『雇い止め』(次年度の契約不更新)につい
て、事前に組合と本人に通知した上で協議する」など共通の9項目を明記した
文書を来週にも各大学に提出する。副委員長は深澤秋人さん(沖国大など)、
書記長は鳥山淳さん(沖大など)。結成は県立芸術大学が平井さんへの賃金未
払いと労働条件通知書の未発行で労働基準監督署から勧告された件で学習会を
開いたのがきっかけ。

 大学非常勤の待遇は以前から、講義数削減や「雇い止め」が大学側から一方
的に伝えられるなど労働組合の必要性が指摘されていた。全国でも大学非常勤
講師の労組は少なく、一県の大学、短大の組合は珍しいという。