『京都新聞』2006年10月21日付

国立大の現状や問題点語る
尾池京大総長、同大で講演


 大学の課題や将来像などを考える関西圏大学教職員「教育・研究フォーラム」
が21日、京都市上京区の同志社大で開催された。記念講演では、尾池和夫京
都大総長が「いま大学は−高等教育の役割とあり方を問う」と題して、法人化
された国立大の現状や問題点などを語った。

 関西にある国公私立大の教職員組合が主催し今年で2回目。約90人が参加
した。

 尾池総長は「現在の大学は、生涯学習や産学連携なども求められている。京
大も広報や社会貢献などで改革を進め、教職員の意識も変わってきた」と説明
した。さらに、課題として「大学間で競争が激しくなるなか、大学の評価方法
がいまだに定まっていないのは問題だ。また、中国などアジアの大学が世界中
から学生を集めており、将来的に日本から若者が流出する恐れもある」などと
指摘した。

 記念講演の後、参加者は、世界的な大学の研究教育拠点づくりを目指す「21
世紀COEプログラム」の問題点や学生の指導方法など4テーマに分かれて意
見交換した。