『北海道新聞』2006年10月19日付


観光大学院、先取り講座 北大が来春新設予定 来月一般向けに 国内第一人者が登壇 


 来春、観光専攻の大学院を新設する北大は十一月三、四の両日、講義を先取
りした一般向けの公開講座を開く。「地域づくりの“法則”を探る〜観光創造
の理論と実践」と題し、国内第一線の研究者六人が各一時間、計十講座を集中
講義する。

 北大は来春、現在の大学院国際広報メディア研究科を、国際広報メディア・
観光学院と改称し、観光創造専攻を新設する。地域の文化資源や知的財産の活
用、国際協力の推進、観光政策の立案などを担う人材育成を目指す。観光大学
院設立は国立大で全国初。

 新専攻は「観光立国」政策を進める経済産業省から、本年度、こうした人材
育成のための授業・教材モデルの作成を受託するなどし、教育内容の研究を進
めてきた。

 公開講座はこうした授業・教材モデルを社会還元するとともに、講座後にア
ンケートを行い教育内容を修正、研究や授業に反映するのが狙い。

 講師は、北大観光学高等研究センター長の石森秀三教授ら北大の研究者のほ
か、新専攻に招かれる熊本大大学院社会文化学研究科の佐藤誠教授、金沢工業
大情報フロンティア学部の敷田麻美教授ら六人。地域ブランド創出などについ
て、海外を含めた成功事例やその方策を講義、意見交換する。石森教授は「産
学官民が連携し、集客や文化創造ができる地域づくりを体系化するのが目標。
観光に関する日本の高等教育を引っ張っていく」と話している。

 定員六十人で、対象は「観光と地域づくり」に関心がある人、自治体などで
地域振興・観光政策に携わる人、企業で観光ビジネスにかかわる人など。無料。
締め切りは二十七日。問い合わせは同大学院国際広報メディア研究科事務部
(電)011・706・5092へ。