時事通信配信記事 2006年10月18日付

野依・教育再生会議座長インタビュー


 安倍政権の最重要課題である教育改革を議論する「教育再生会議」の野依良
治座長は17日、時事通信社などのインタビューに応じ、来年1月にも中間取
りまとめを行いたいとの考えを明らかにした。主なやりとりは次の通り。

−座長を引き受けた理由は。

 「美しい国、日本」をつくろうという安倍晋三首相に大変、共感を覚えた。
教育を通じていかに具体化していくかが大きな課題だ。日本の教育のあり方を
提示できればと思っている。

−現在の教育の問題は。

 日本人として最小限の規範、生きていくため一定の力を持つことが不可欠だ
が、学校教育だけではできない。家庭や地域などが一致協力して次世代をつく
る意識が必要だ。大学生や大学院生が国際水準の力を持ってないと、日本は国
際競争力を保ち得ないことも議論してほしい。先生の免許の問題も大事だが、
ちょっと事柄を矮小(わいしょう)化している。

−会議の進め方は。

 分科会のようなもの作って議論していく。数回は自由に議論することから始
め、その中で重要と思われる課題を選んでいく。

−首相は教員免許の更新制度などの検討を打ち出しているが。

 何をもっていい先生とするか大変難しい問題だ。人格や人柄が(要素として)
大きいが、試験してというのは相当難しい。

−学校の自由な選択を可能にする「教育バウチャー制度」の導入については。

 みんなが立派な教育を受ける権利はあると思う。それをどう保障するかが難
しい。

−大学での9月入学の導入は。

 一長一短ある。

−文部科学省や中央教育審議会との住み分けはどうする。

 文科省は学校教育を中心に議論しており、それは多としないといけないが、
教育は学校だけで行うものではない。(再生会議では)広く教育面の事柄を議
論する。事が学校教育にかかわってくると、中教審の議論はそれなりに重みが
ある。

−どの段階で中間取りまとめを行うのか。

 官邸の方では、1月ぐらいに何らかのまとめをしたいという希望だ。(了)