『高知新聞』2006年10月7日付

キャンパス統合が始動 県立大改革予算可決


 県議会9月定例会で県立大改革関連の補正予算が可決されたことで、高知市
永国寺町にある高知女子大キャンパスの池キャンパスへの統合が動き始めるこ
とになった。一方で議会は大学改革基本計画の承認を見送っており、焦点の法
務総合学部づくりに向けた事務作業はストップする。

 補正予算案には、永国寺キャンパスから池キャンパスへの学部移転に伴う新
施設建設の設計委託料(2970万円)を計上していた。予算案の可決で、県
が目標としている平成21年度学部再編に向けた新校舎(約1万8000平方
メートル)の設計などに入る。

 半面、キャンパス統合を含む基本計画について県議会は「共学化と法務総合
学部をはじめとする県と大学の相違点」を両者が話し合い、「その結果を待っ
た上で(議会は)別途判断する」(企画建設委員長報告)とした。キャンパス
統合は認め、共学化や法務総合学部新設はボールを県と大学に投げ返した格好
だ。

 県は法務総合学部をJR高知駅前の複合施設内へ設置する案を持っている。
設置時期は全く未定だが、県としてはこの議会後にカリキュラム策定などの事
務作業に入る計画だった。議会が「承認留保」という結論を出したことで、事
務作業の開始は中止。県は「大学との協議中は作業ができない」としている。

 今後、共学化と法務総合学部を軸に県と女子大との協議はさらに続くとみら
れている。同大の青山英康学長は、「大学の主張を議会が正確に理解してくれ
た。県とは誠心誠意、話し合いを続けていく」と話している。