『河北新報』2006年10月5日付

東北大に寄付講座 企業活性化策を研究 中小機構


 中小企業基盤整備機構(中小機構)は、東北大大学院経済学研究科に寄付講
座を開設した。中小機構の大野雄三・前理事が客員教授として講義し、社会人
聴講生も受け入れる。同研究科地域イノベーション研究センターと連携し、企
業活性化政策の研究にも取り組む。

 東北大の文系研究科が寄付講座を受け入れたのは初めて。経済学研究科は、
中小企業支援でノウハウを持つ機構との連携が、地域のイノベーション(変革)
や活性化の研究に寄与すると判断した。期間は2006年9月―08年9月。
中小機構は2000万円を寄付した。 大野氏は中小機構で国際化支援など中
小企業施策を担当し、日大大学院の非常勤講師なども務める。東北大では、中
小企業経営者論と中小企業政策を教える。

 講義は大学院生のほか、研究科の公開講座などに参加した地元の経営者ら1
7人の聴講を認めた。3日に初の講義があり、学生、社会人合わせて23人が
出席した。

 調査研究は、公的機関などが運営するインキュベーション(ふ化)施設の評
価と、複数企業の新事業を国が支援する「新連携支援制度」の評価を対象とす
る。

 中小機構は05年度、一橋大、信州大、同志社大で寄付講座を開設している。
東日本では初めて。大野氏は「地域振興は中小企業の活性化にかかっている。
東北大を拠点に連携して企業を支援し、国や関係機関の役割について研究した
い」と話している。