『京都新聞』2006年10月3日付 女性研究者支援へ拠点設立 京大 能力発揮狙い 京都大は2日、学生を含む女性研究者の研究や育児などの支援に取り組む 「女性研究者支援センター」を設立したと発表した。カウンセリングや研究継 続への支援、病児保育などさまざまな事業を学内で展開、女性が能力を発揮で きる大学を目指す。9日午後1時半から、京大時計台記念館(京都市左京区) で設立記念シンポジウムを開催する。 センターは、「交流・啓発・広報」「相談・助言」「育児・介護支援」「柔 軟な就労形態による支援」の4事業を実施する。具体的には▽女性問題に詳し いカウンセラーによる相談窓口の開設▽保育園に預けることができない病後な どの乳幼児や児童などをみる病児保育施設を京大病院に設置▽女性研究者を増 やすため高校などへの「出前授業」▽産休時なども研究を継続するための研究・ 実験補助者の派遣−などを順次実施していく。 育児のための勤務体系の柔軟化の検討や、男性も含む構成員全体の意識改革 に向けた啓発活動などにも取り組む。 センター長の塩田浩平医学研究科教授は「3年後に現在6・7%の女性研究 者を10%にするという数値目標はあるが、女性が働きやすい環境をつくり、 能力が発揮されるようになれば、おのずと増える。京大独自のモデルを整備し たい」と話している。 シンポジウムは、センター「京都大学モデル」推進室長の稲葉カヨ生命科学 研究科教授が「樹状細胞に魅せられて−女性研究者としての歩み」と題して講 演したあと、自治体や企業の担当者を交えてパネル討論する。当日受け付けで 無料。託児などの問い合わせはセンター担当TEL075(753)2497。 |