『毎日新聞』2006年10月3日付

学術会議:「科学者の行動規範」採択 研究の不正なくす


 日本学術会議(金澤一郎会長)は3日、研究の不正行為をなくすため、ある
べき科学者像を明示した声明「科学者の行動規範」を総会で採択した。同会議
は「全分野共通の最低限の倫理規範」として国内の大学、研究機関、学会など
約2800機関に送り、倫理綱領の策定や倫理教育の徹底を求める。

 東京大や大阪大で昨年、生命科学の研究者の論文に不正の疑いがかけられ、
今年は早稲田大で研究費の不正受給が発覚したため、不正行為が起きる背景分
析と対応策を同会議で検討してきた。

 また、新副会長3人が同日、指名された。▽浅島誠・東京大総合文化研究科
教授(発生生物学)=再任▽鈴村興太郎・一橋大経済研究所教授(厚生経済学)
▽土居範久・中央大教授(計算機科学)で、任期は2年間。【元村有希子】