『しんぶん赤旗』2006年9月29日付

教育基本法の堅持こそ重要
東京の元校長ら61氏 アピールに賛同


 教育基本法「改正」反対の連名アピールを呼びかけた東京都の公立学校の校
長・教頭経験者の代表が二十八日、都内で記者会見し、同アピールに賛同の輪
が広がり、現在、茂木俊彦元都立大学総長を含む、六十一人が賛同人に名を連
ねていることを明らかにしました。

 アピールは、「いま子どもと教育の困難を打開するために必要なのは、教育
基本法の『改正』ではなく、現行の教育基本法にもとづく教育行政の徹底によ
る、教育条件の充実と、学校現場の教育の自由の保障ではないでしょうか」と
訴えます。

 呼びかけ人代表の鈴木淳氏(野津田高校元校長)によると、教基法「改正」
を憂慮する三十数人が今月上旬に学習会を開き、改めて現行教基法の堅持が何
よりも重要と考えたことからアピールを作成し、約四百人の元管理職にアピー
ルを送付しました。

 久留米高校元校長の渡部謙一氏は「現役の校長たちに会うと、ため息ばかり。
校長の権限や裁量がまったくなく、強制・命令・管理の教育で疲弊状態にある
現場の先生たちを励ましたいという実感からアピールを考えた」と述べました。

 鈴木氏は、教基法が「改正」されれば、東京都の教育支配が、「法」の名の
もとに全国に広がるとの憂慮を示し、賛同者が一定集まった段階で、現役の管
理職にもアピールを送付する意向だと語りました。