共同通信配信記事 2006年9月29日付

与党、教基法改正に全力 防衛「省」法案は難航か


 与党は29日の安倍晋三首相の所信表明演説を受け、臨時国会で最重要法案
と位置付ける教育基本法改正案と、11月1日で期限を迎えるテロ対策特別措
置法を1年延長する改正案の成立に全力を挙げる方針だ。防衛庁「省」昇格法
案も審議を急ぐが、会期内に成立させるのは困難との見方が強い。

 首相の所信表明に対する代表質問は10月2日から4日にかけて衆参両院で
実施される。その後、衆参両院の予算委員会が2日間ずつ開催され、法案審議
は10月中旬以降になる見通し。与党はテロ対策特措法改正案を同月内に成立
させる方針で、先の通常国会で継続審議となった教育基本法改正案は11月上
旬に衆院を通過させたい考えだ。

 防衛「省」法案は、与党内調整の遅れで先の通常国会が閉幕する間際に提出
したため、今国会で論戦が始まる。野党側は慎重な議論を求める構えで、審議
難航は必至だ。公明党は、支持者の反発が強い同法案については来年の参院選
前の審議を回避したい意向。党内には臨時国会の成立が難しい場合、参院選後
まで大幅な先送りを求める声もある。

 自民党の中川秀直幹事長は、29日の共同通信のインタビューで、憲法改正
の手続きを定める国民投票法案に関し「修正協議の門戸は常に開けておく」と
した上で「抵抗路線としての反対ならば、粛々と審議を進め、結論を出す」と
強調。社会保険庁改革関連法案については「社保庁組織を解体的に改革するこ
とになれば、臨時国会での成立は無理があるのではないか」と述べ、今国会処
理にこだわらない考えを示した。