『毎日新聞』高知版 2006年9月27日付

県立大:再編費用65億円 知事、強い決意−−県議会 /高知


 県は26日、県立大再編に必要な費用について、池キャンパス統合に約40
億円かかることを明らかにした。さらに法務総合学部の開設に約25億円を見
込んでいる。同日に始まった県議会9月定例会一般質問で明らかにした。現在
の永国寺キャンパスの耐震工事を含めた改修費用は約20億円と見積もり、県
は「耐用年数を考えても改修は現実的ではない」と再編に強い決意を示した。

 県は09年度に高知女子大を男女共学化し、現在の4学部6学科から4学部
4学科に再編。さらに永国寺キャンパスを池キャンパスに統合し、JR高知駅
前に法務総合学部を新設する計画。

 新学部設立について十河清・県企画振興部長は「県内で、社会科学系学科は
高知大の社会経済学科のみで、高校生のアンケートでも『県内に行きたい分野
の大学がない』という結果が出ている」と設置理由を説明した。

 県内の大学定員は1725人と人口がほぼ同規模の徳島県と比べ約1000
人も少なく、さらに、進学者の約8割が県外の大学に入学している現状を指摘
し、新学部設置で、県立大の人気アップにつなげたい意向。

 橋本大二郎知事は「法務総合学部の新設によって、県内の進学機会の拡充や
若者の定着を図りたい。改革は早急に対応すべきで、これ以上先送りできない」
と述べた。

 また、県職員が自動車税を滞納していた問題に関し、中澤卓史総務部長は
「県民に納税をお願いする立場でありながら滞納者が出たことについて県民に
おわびしたい」と改めて謝罪した。【米山淳】