『高知新聞』2006年9月26日付

共学化拒否は課題先送り 女子大改革


 県議会9月定例会は26日から質問戦に入り、午前中は中西哲氏(自民党)
が県立大学改革に伴う高知女子大の再編について、男女共学化などをめぐり大
学側と県側の隔たりが大きい状況を踏まえて執行部の考えをただした。十河清
企画振興部長は、大学側が「(将来の公立大学)法人化の際に検討する」と現
時点での共学化案を実質的に拒否していることを「課題の先送り」と批判。橋
本大二郎知事も青山英康学長の発言のぶれを問題視した。

 十河部長は、県民の視点に立った大学自らの改革に「限界がある」との理由
で、平成15年1月に県内外の有識者で構成する県立大学改革検討委員会を設
置した背景を説明。

 その上で、同年2月の県民意向調査で共学化に賛同する意見が現行のままで
よいとする意見より3―4倍多かったことなどから、県民の共学化への期待は
「大変大きなものがある」と答弁。21年度の共学化実現に強い意欲を示した。

 法人化の際に共学化を検討するという大学側の見解に対しては、「法人化の
有無によって共学化の結論が変わるものではない」と述べた。

 橋本知事は薬学科設置や共学化に対する青山学長の発言が「時期を追うごと
に違ってきた」とし、特に共学化に関して「優れた男子学生を積極的に受け入
れて共学化の実質化を図りつつ、男子学生が定員の半数を占めるようになれば」
としていたのが、その後、「男子学生を受け入れるつもりはない」と前言を翻
した経緯を紹介。

 学内での学長の立場に一定の理解を示しながらも、「県民への説明責任を果
たし、大学改革を進めていく立場から発言に一貫性を持っていただきたい」と
厳しく指摘した。