『毎日新聞』高知版 2006年9月25日付

教育基本法改正:「防衛費を教育費に」悪影響唱え反対訴える 高知で県民集会 /高知


 教育基本法改正に反対する県民集会が24日、高知市内で開かれ、現役高校
生や元校長らが法改正による悪影響を唱え、改正反対を訴えた。県教職員組合
や平和団体などで構成する「子どもと教育を守る高知県連絡会」主催。

 保護者や学校関係者ら5人が順番に登壇し、それぞれの思いを訴えた。最初
に井沢武大・春野町教育長は「政治が教育の内容に干渉するのは問題。戦前の
歴史がそれを証明している。教育の環境づくりを支援するのが政治の役割だ」
と改正案を批判した。

 高知商高3年の女子生徒は学費で悩む友人の苦労を紹介。「友人は進学のた
めアルバイトをしたが家庭の事情で進学を断念した。『頑張ってもかなわない
ことがある』との言葉を聞いて悲しくなった。防衛費を教育費に充てれば、奨
学金がすべての子どもに行き渡る」と訴えた。

 保護者2人も「法改正で教育の機会均等が失われる」「義務教育の無償化が
必要」と改正に反対した。最後に藤本真事・元小学校校長が「愛国心という言
葉は戦前を思い出す。防衛費より教育や恵まれない人にお金を使う国が美しい
国だ」と新政権にくぎを刺した。【米山淳】