『佐賀新聞』2006年9月23日付

佐大独自ブランド純米酒開発へ


 佐賀大(長谷川照学長)は、農学部で栽培したコメと酵母を使ったオリジナ
ルブランドの純米酒を開発する。国立大法人化で各大学とも大学ブランドの商
品開発を進めており、九州大が吟醸酒、鹿児島大が芋焼酎を商品化するなど九
州でも取り組みが活発。佐賀大も大学のPRに活用したい考えだ。

 取り組むのは農学部の加藤富民雄教授(応用微生物学)のグループ。コメは
同学部資源循環フィールド科学教育研究センターの農場で栽培している「ヒノ
ヒカリ」、酵母は加藤教授が研究用に保存する協会7号系を使用するなど原料
は純「佐賀大」産。製造は「窓乃梅酒造」(佐賀郡久保田町)に委託する。使
用米は1トンで、720ミリリットル2000本分が醸造できる。

 名称は学内公募で「佐大慕情」「かちがらす」など101件が提案され、学
内の選考委員会で選定。近く公表し、ラベルのデザインを公募する予定。

 県内の酒造メーカーと連携して、毎年違う蔵元に製造委託する構想も描いて
おり、「蔵元が違うと多彩な味わいの商品が出来上がるはず。日本酒の奥深さ
を発信でき、県内の日本酒業界の活性化にもつながる」と加藤教授。「地域貢
献の一環として協力してもらえる蔵元を募りたい」と意気込む。

 年明けにも仕込みに入り、2月ごろ出来上がる見込み。販売については大学
生協での取り扱いを検討している。