『毎日新聞』2006年9月22日付

国旗国歌:臨時校長会で従来通りの指導求める 都教育庁


 東京都教育庁は22日、入学式や卒業式での国旗・国歌の強制を違憲とした
東京地裁判決(21日)を受け、都内で都立学校の校長を対象にした臨時校長
連絡会を開いた。都立高校や盲・ろう・養護学校の校長251人が出席し、同
庁は、日の丸と君が代の指導について、今後も従来通りの方針で臨むことを説
明した。

 連絡会は非公開。同庁高等学校教育指導課によると、同庁側が控訴する方針
を示したうえで、判決の内容を説明し「私どもの行政行為が何ら阻まれるもの
ではないので、今まで通り、通達に基づいて国旗・国歌の指導を実施してほし
い」と要請した。また、校長2人から質問があり▽「控訴審はどうするのか」
との問いには「訴訟態勢を強化する」▽「(教職員への)職務命令をどう考え
たらいいのか」との質問には「一向に変わらない」などと返答があったという。

 同課の高野敬三課長は連絡会後「周年行事や卒業・入学式に向けて課題が出
てくる場合、教育庁一丸となって支援していきたい」と話した。

    ◇

 東京都の石原慎太郎知事は22日の定例会見で、東京地裁判決について
「(裁判官は)都立高校の実態を見ているのかね。現場に行って見たほうがい
い。乱れに乱れている」と疑問を呈し「子供たちの規律を取り戻すために、あ
る種の統一行動は必要。その一つが国歌、国旗に対する敬意だ」と指摘した。
さらに「(学習)指導要領でやりなさいといわれていることを教師が行わない
限り、義務を怠ったことになるから、注意、処分を受けるのは当たり前」と語
り、指導徹底を打ち出した03年10月23日の都教委通達の意義を強調した。
【木村健二】