『岩手日報』2006年9月21日付


「学系」に再編 岩手大の教員組織

 岩手大は21日、教育研究評議会(議長・平山健一学長)を開き、2007
年度から教員組織を「講座制」から「学系」に再編する方針を決定する見通し
だ。運営交付金、人件費の削減などに伴い、教育研究組織である学部、研究科
と教員の所属組織「学系」を分離し、学部横断的な教育・研究指導を充実させ
る。

 同大は現在、教員や学生が各学部内の講座に所属する講座制を採用。再編後、
教員は「人文科学系」「教育学系」「システム理工学系」「応用生命科学系」
など11学系のいずれかに所属し、専門分野に応じて共通教育、専門教育科目
の講義や研究活動を行う。各学系は40−60人の教員で構成する。

 教員の組織再編によって▽学部横断的、全学的視野に立った教育・研究指導
▽研究交流や研究プロジェクトの立ち上げ▽時代の変化に応じた教育課程編成
や柔軟な組織改革−などの効果が期待される。

 同大は昨年7月、教育研究組織検討専門委員会にワーキンググループ(座長・
斎藤徳美学術担当理事)を設置し、再編を検討してきた。

 同大は国立大学法人化後、毎年約6000万円の運営交付金が削減された。
05年度には大学法人にも公務員と同じ5%の人件費削減策が示され、同大は
今後5年間で、教員20人と事務職員25人を削減する方針だ。

 今回の再編には、学内から組織が複雑になるなどの指摘もある。斎藤理事は
「閉鎖的な学部間の壁を乗り越え、限られた教育・研究資源を有効に活用する
など効果を発揮するだろう。組織再編は、大学が生き残るための最善の道だ」
と話す。