『しんぶん赤旗』2006年9月15日付

教育基本法改悪
校長先生 66%が「反対」
東大調査 公立小中3812校


 政府・与党が二十六日開会予定の臨時国会で成立をねらう教育基本法改悪法
案について、全国の公立小中学校の校長の三分の二が反対していることが東京
大学の調査で明らかになりました。

 調査は東大基礎学力開発研究センターが学力問題や「教育改革」について全国
の校長の意見を聞くため、今年七月から八月にかけて行ったもの。公立小中学校
約一万校に協力を依頼し、三千八百十二校(小学校二千四百二十校、中学校千
三百六十九校、不明二十三校)から回答を得て、このほど中間集計をまとめま
した。

 教育基本法について「政府の教育基本法改正案に賛成である」という設問で
は「そう思わない」「全くそう思わない」が合わせて66・1%を占めました。

 「成立しても実際の教育にはほとんど関係ない」という問いには「そう思わ
ない」「全くそう思わない」と答えた校長が計60・4%で、現場に影響があ
るという認識が多数でした。

 全国学力テストについて「結果を教育の改善に活かす方法が整備されていな
い」という問いに賛意を示した回答が計84・5%(「強くそう思う」19・
4%、「そう思う」65・1%)に達しました。

 学校選択制については「学校間の格差が広がる」「学校への無意味なレッテ
ル付けが生じる」と考える校長がどちらも九割いました。

 政府の「教育改革」について「教育改革が早すぎて現場がついていけない」と
思う人が84・6%、「学校が直面する問題に教育改革は対応していない」と思う
人が79・8%におよびました。

 教育の将来については「学力の格差が広がる」88・1%、「地域間の格差
が広がる」84・6%と、格差拡大を懸念する声が圧倒的でした。