『毎日新聞』高知版 2006年9月17日付

県立高知女子大と高知短大の再編問題:県の再編案に批判続出−−高知でシンポ /高知


 ◇県立大学の未来像シンポ、パネリスト6人議論

 県立の高知女子大や高知短大の再編をめぐり、「みんなで考えよう県立大学
の未来像」と題したシンポジウムが16日、高知市内で開かれた。高知短大の
学生や卒業生、教授らで構成する実行委の主催。6人のパネリストが議論を交
わしたが、県の再編案に反対意見が相次いだ。【米山淳】

 再編案では、高知女子大を09年度から男女共学化▽永国寺キャンパスを池
キャンパスに統合する。▽昼夜開講制の法務総合学部をJR高知駅前に新設し、
社会科学系学科のみの高知短大を廃止する−−としている。

 シンポでは県の計画へ批判的な意見が続出。高知短大2年、植田文彦さん
(27)は「入学して、政治、経済、法律にはつながりがあることがわかった。
法律のみを学習する学部では偏った知識しか得られない」。

 また、高知短大の仲哲生学長代理は、2年間のカリキュラムを残しながら4
年生へ移行する大学の独自計画を紹介、「法務総合学部より多様な学習ができ
る」と短大の必要性を強調。高知北高の岡林登志郎教頭は「定時制に通う高校
生にとって、夜間で社会科学全般を学べる短大は進路先として重要」と指摘し
た。

 さらに、「幡多に大学を作る会」の山下正寿事務局長は「県全体では短大の
ニーズはあるはず」と短大存続を要望した。