『読売新聞』2006年9月14日付

「大学は9月入学に」安倍氏、討論会で提唱


 自民党総裁選に立候補している安倍官房長官は14日午前の自民党青年局主
催の公開討論会で、教育改革について「大学入学(時期)を世界の慣行に合わ
せる」と述べ、国公立大学の入学時期を9月に変更することを検討する考えを
示した。

 そのうえで、「(高校卒業後の)4月から9月までの間は、例えばボランティ
ア活動をやってもらうことも考えていい」として、高校卒業から大学入学まで
の約5か月間に社会奉仕活動などを奨励する制度を導入したいとの方針も打ち
出した。

 日本の大学では、現在、基本的に4月が入学時期だが、帰国子女などに配慮
して一部で9月入学も行われている。しかし、国公立大学が原則9月入学にな
ると、私大も追随すると見られる。さらに、企業の採用、人事計画などに影響
が及ぶほか、社会奉仕活動の位置づけも難しいことから、今後、大きな議論に
なることが予想される。

 大学の9月入学と社会奉仕活動をめぐっては、2000年末に森首相の私的
諮問機関「教育改革国民会議」がまとめた報告書に盛り込まれていた。

 安倍長官は、教育改革の進め方に関しては、「英知を結集していく必要があ
る。教育の再生について議論してもらう場が必要だ」と語り、首相直属の「教
育改革推進会議」(仮称)を新設する意向を正式に表明した。

 教育基本法改正案については、秋の臨時国会で成立させたいとの考えを改め
て強調した。