『毎日新聞』鳥取版 2006年9月12日付

愛国心:学生アンケートから/5 教育基本法に規定の賛否 /鳥取

 ◇「教わった」人の方が否定的
 ◇育つのは「自然に」「元々ある」「いい所知る」「スポーツ応援」

 高校卒業までに「愛国心」を教わったことがない学生が、89%に上ってい
た。このうち愛国心を感じたことが「ある」人は75%、国民に必要と考える
人は61%いた。愛国心を教育基本法に規定することには59%が「反対」で、
規定すれば社会が「悪くなる」と考える人も41%と「良くなる」(9%)を
大きく上回った。

 教わったことがある人でみると、同法規定に65%が「反対」、規定後の社
会は「悪くなる」とする人が44%で、教わったことのない学生をやや上回っ
た。

 教わった経験がある人のうち、東京出身の女子学生(18)は「高校で中国
や韓国の学生と交流して」と答え、大分出身の男子学生(20)は「長野五輪
を学校で応援して」と回答。山口出身の男子学生(22)や三重出身の女子学
生(20)は「中学で君が代を無理やり歌わされた」とする答えもあった。

 石川出身の男子学生(20)は「昔からおじいちゃんに教わっていた」と回
答したが、学校以外の身近な人から教わるのは「友人から語られた」という鳥
取出身の男子学生(18)ら少数だった。

 「愛国心はどのようにして育つものだと思うか」の質問には、▽自然に▽元々
ある▽伝統や文化など国のいい所を知る▽スポーツ応援――が特に多かったが、
「押し付けたり強制するものではない」と書き添えている例もあった。「住ん
でいて良かったと思える社会になれば」や「育てるものではない」という意見
も少数ながらあった。