『毎日新聞』鳥取版 2006年9月9日付

愛国心:学生アンケートから/4 教育基本法規定に反対でも「必要」過半数 /鳥取

 ◇悪くなる−−戦前に逆戻り
 ◇良くなる−−国が活性化する
 ◇変わらず−−結局は心の問題

 教育基本法への「愛国心」盛り込みを巡り、是非が論じられているが、アン
ケートでは58%が「反対」し、「賛成」は10%に過ぎなかった。「愛国心
を教育基本法に規定した場合、日本はどんな国・社会になるか」の質問には、
41%が「悪くなる」と予想し、「良くなる」の9%を大きく引き離した。

 規定後は「悪くなる」と答えた学生は、「“お国のため”という戦中の日本
に逆戻りする」「戦争を正当化する」と平和への脅威と見なし、「為政者に悪
用され異質者を排除」「間違った人を正せなくなる」「子どもの思想まで統一
するのはおかしい」などとする学生もいた。

 一方、「良くなる」と考える学生は「日本文化を尊重する」「自虐的歴史観
をなくせる」とか、政治・経済などの面で「国が活性化する」「団結力が高ま
り明るい国になる」とした。周辺諸国との外交関係で「強く立ち向かえるよう
になる」とする意見もあった。

 「悪くなる」とほぼ同じ割合だった「変わらない」(39%)と回答した学
生は、「結局は心の問題」「教育で身につくものでない」「子どもは急に言わ
れてもわからない」と教育の効果を疑問視。同法について「普段考えていない」
など、関心の低さも目立った。

 同法規定に「反対」、規定後の社会像を「悪くなる」とした学生でみると、
いずれも「愛国心は必要」が過半数を超え、、「必要ない」は4割だった。