『毎日新聞』鳥取版 2006年9月8日付

愛国心:学生アンケートから/3 「愛郷心」とは違う6割 /鳥取

 ◇必要「文化や歴史守るため」/不必要「強制すべきでない」

 「愛国心は国民に必要か」の質問には、63%が「はい」と答え、男性の5
9%、女性の66%が必要とした。理由として「団結力(一体感)が無くなり
国がまとまらない」「国の文化や歴史を守るのに必要」などを挙げた。一方、
「必要ない」は33%で、「個人の自由」「強制すべきでない」などが理由だっ
た。

 愛国心を教育基本法に規定することの是非については、「愛国心は必要」と
した学生の過半数が「反対」を表明し、「賛成」の14%を大きく引き離した。
「必要ない」では、「反対」が7割以上を占め、「賛成」は3%だった。

 同法の規定による社会の行く末を尋ねたところ、「愛国心は必要」との学生
は「悪くなる」が34%、「変わらず」が37%と回答。「必要ない」では
「反対」が過半数を超え、「良くなる」は1人もいなかった。

 「愛国心と愛郷心に違いがあるか」の問いには、60%が「はい」と回答。
理由を聞くと「規模や範囲が違う」との答えが大半を占めたが、「愛国心は国
のために戦わなくてはいけない」「愛郷心の延長は家族だが、愛国心の延長は
天皇だから」と考える人もいた。「いいえ」(34%)の理由は「オリンピッ
クと甲子園の違い程度(で応援する気持ちは同じ)」などだった。

 愛国心が必要かどうかに関係なく、9割前後が高校卒業までに愛国心を教わっ
た経験がないとした。