『日本経済新聞』2006年9月7日付

東大が格付け取得、国立大初の「トリプルA」


 東京大学は7日、格付投資情報センター(R&I)から最上級のトリプルAの
発行体格付けを取得したと発表した。格付け取得は国立大では初めて。これま
では早大、慶大、同志社大が1つ下のダブルAプラスを取得したのが最高で、東
大は学生募集力の強さや研究資金の豊富さ、経営の先進性が評価され、大学の
格付けトップに躍り出た。

 大学の格付けは借り入れなど債務の総合的な履行能力を示す。トリプルAは
「信用力は最も高く、多くの優れた要素がある」の意味。R&Iは「収支が恒
常的に赤字になることがまずない国立大の信用力は極めて高く、中でも東大の
安定度は特に高い」としている。

 東大は格付け取得の理由を「法人化後の財務・経営面での努力を第三者に客
観的な物差しで評価してもらいたいと考えた」(石堂正信副理事)と説明。具
体的な債券の発行計画はないが「将来の資金調達手段の多様化に向けた条件整
備も狙いの1つ」(同)という。