『毎日新聞』福岡版 2006年9月6日付 麻生知事:教育基本法「見直しを」 県教組は改正に反対 /福岡 麻生渡知事は5日の定例会見で、自民党総裁選に出馬表明している安倍晋三 官房長官が改正に意欲を見せている教育基本法について「見直さないといけな いと思う」と述べた。県教組は「今のままでいい」との立場をとっており、知 事の発言は波紋を広げそうだ。 麻生知事は、教育基本法は戦後の国際社会復帰に向けた動きを背景に民主主 義、自由、個性の尊重に力点を置いて策定されたとの認識。そのうえで「我々 が生きている基盤は、日本の文化や伝統、歴史という、もう一つの大きな側面 がある」と指摘。「その内容を教えるような、バランスの取れたものにしてい かないといけない」と、見直しの必要性を強調した。 県教組の浦田哲也書記長は「知事の改正容認の真意は分からないが、歴史や 伝統は教科書で教える話で法に盛り込むものではない。一般に改正論には、 『個の尊厳よりも公のため』という戦前の価値観への揺り戻しの動きがみられ る。改正には反対したい」と話した。【加藤学】 |