『日本経済新聞』2006年9月5日付

定員に対する入学者の割合、国立大が初めて私大上回る


 国立大学の定員充足率(入学定員に対する新入生の割合)が今年度、初めて
私立大学を上回ったことが5日、日本私立学校振興・共済事業団の調べで分かっ
た。定員割れ私大の急増に加え、国立大が授業料の増収を図るため、以前に比
べ入学者を多めに確保するようになっていることが背景にある。大学全入時代
を前に、私大の学生確保は一段と厳しくなっている。

 今年度の国立大の入学定員は約9万6000人、入学者は約10万4000人で、定員充
足率は昨年度からほぼ横ばいの107.9%。私大の定員は約44万人、入学者は約
47万2000人で、充足率は107.2%と昨年度から2.6ポイント低下した。同事業団
によると、国立大の充足率が私大を上回ったのは統計を取り始めた1955年度以
降、初めてという。